乳酸菌の種類とビフィズス菌
乳酸菌の種類とその働き
私たち人間が毎日を健康に過ごすためには、食事や運動、ストレスなど、さまざまなことに気をつけなくてはなりません。そんななかでも特に大切なのが、腸内環境を整えることです。腸が整っていないと便秘になりやすくなるというのはよく知られていますが、病気になりやすくなったり、肌荒れがひどくなったり、気持ちが塞いでしまったりと、健康や美容、そして心にも大きな影響を与えることが分かっています。
腸内にはいわゆる善玉菌と悪玉菌、そしてどちらともいえない日和見菌が存在しています。腸内環境と整えるというのは、腸内の善玉菌を増やして悪玉菌を減らすということ。乳酸菌はそんな善玉菌の1つで、糖を分解して乳酸を作り出すことで腸内環境を整えます。その種類はなんと200種類以上にのぼり、有名なものもいくつかあります。例えば、生きたまま腸に届く「乳酸菌シロタ株」や、免疫バランスを整える「KW乳酸菌」、免疫細胞の司令塔を活性化する「プラズマ乳酸菌」、胃で生きる力が強い「LG21乳酸菌」など、聞いたことがある人も多いでしょう。
ビフィズス菌は善玉菌の一種
腸内環境を整える善玉菌として、乳酸菌と同時にもう1つ忘れてはならないのがビフィズス菌です。ビフィズス菌も乳酸菌の一種ですが、乳酸だけでなく酢酸や葉酸、ビタミンB類なども作り出して腸内環境を整えてくれます。
この、乳酸以外のものも作り出すという点で、ビフィズス菌は他の乳酸菌と区別されています。酢酸には強い殺菌作用があり、腸内の悪玉菌の繁殖を抑えてくれる役割を果たしています。そもそも、人の腸内には乳酸菌よりも桁違いに多くのビフィズス菌が存在しています。しかも、ビフィズス菌は酸素がない大腸に存在しています。そういう意味で、ビフィズス菌はより腸内環境を整える役割に適した善玉菌であると言うことができるのです。
人間の体内で存在が確認されているビフィズス菌は約10種類ですが、人によっては持っていない菌もあるなど、その菌の構成には人それぞれ違いがあります。そのため、ビフィズス菌を摂っても、合う、合わないがあると言われています。
加齢とともにビフィズス菌が減ると便秘になる?
生後間もない赤ちゃんの腸内細菌はほぼ100%がビフィズス菌です。つまり、赤ちゃんの腸内はほとんど善玉菌というわけです。しかし、ビフィズス菌は加齢とともに減少していき、成人する頃には腸内細菌の10%程度にまで減ってしまいます。
ビフィズス菌が減少すると栄養素が吸収できなくなったり、逆に老廃物の代謝ができなくなったりして、美容や健康に悪影響を及ぼします。特に大腸に存在していますから便秘に直結します。便秘は辛かったり食欲を失ったりするだけでなく、健康や美容にも悪影響があります。便は体に必要のないものですから、なるべく早く体の外へと出すことが大切なのです。
便秘にならないようにするためには、大腸内のビフィズス菌を増やすことが大切です。ビフィズス菌を増やすためには、ビフィズス菌そのものを積極的に摂ると同時に、ビフィズス菌を活性化させるオリゴ糖や小腸で働く善玉菌の乳酸菌なども積極的に摂るようにしましょう。